盗まれた思い出の物、諦めないでください。

アクセサリーの返還請求は2年以内なら十分に間に合います

例えば、貴方の家に空巣が入るといったことがあり、その際に貴金属のアクセサリーが盗まれる…という事があったとします。または異性との恋愛で相手に合鍵を渡すような関係になり、その合鍵を使われて相手に貴方の所持品等を奪われてしまった…ということがあったとします。
それか街中等でうっかりそういった品物を落としてしまった…なんてことがあるかもしれません。

 

そういった自身ではどうしようもならないことによって盗まれたか紛失したと思っていた貴金属のアクセサリーを質屋で見つけたとします。こちらを売られてしまった物として取り戻すのを諦めてしまったりしていませんか?

 

民法等の複雑な要素が絡むのですが、こちらは、紛失から1年以内であれば無償で取り戻す事が可能です。これは回復請求という権利によって行うことが可能になっています。
では具体的にはどのような場合に無償で取り戻すことが可能になっているでしょうか。

質屋が買い取った際に「盗んだ人か、もしくは拾った人」から直接取引を行った場合

無償で取り戻す事が可能となります。
この場合は、取引を行った質屋が、「盗品または遺失物であったかどうか」をある程度窺い知るべきであった、そのリスクを負うべきという概念があるからです。

質屋が「盗んだ人か、もしくは拾った人以外」から入手した場合

原則として、有償となります。
直接ではない間接的なルートから入手した場合は上記の概念からは外れてしまいます為、この場合は原則として有償扱いとなります。

 

古物商や質屋にはそれぞれ、古物営業法、質屋営業法があり、盗まれた方の保護の目的により1年間は無償とされています。

 

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【即時取得】という制度に関して

上記で一例を説明致しましたが、その際に覚えておいて頂きたいのが、「即時取得」というルールに関してです。
このルールに則った場合、基本的には返してもらうことができません。
上記の例に引き続き、貴金属のアクセサリーを盗んだか、もしくは拾った人が質屋に売り払ったと想定したとします。
この場合、あくまで結果的にとなりますが「所有権」は貴方から無くなっていると思われます。
民法の原則から考慮しますと、貴方は「所有権」を他の誰にも譲渡していないはずですので、基本的には所有権は貴方の元にあるはずです。
ですが、この原則を覆す規定があるのです。
購入手続き等の取引や、また誰かに無償で譲るといった掛け合いにて、その物品を取得した方が、それ自体が「窃盗物」「遺失物」であるという事を知らなかった場合は、民法192条により「所有権」を取得することになります。
本来では所有者ではない方が「所有権」を取得しました、そうなると本来の所有者であるはずの貴方の権利である「所有権」が無くなってしまうのです。
したがって、「所有者」ではない貴方は、その物品、アクセサリーの返還請求をすることが出来ないことになります。

 

ではどのようにして返還請求が可能になるのか

即時取得というのは効力の強い制度のため紛失した方が泣き寝入り、犠牲になるという事になってしまいます。
しかしそれではあんまりだ。となり2年間限定で例外として民法193条により回復請求ができるルールがあります。
これは、前条の場合において、占有物が盗品又は遺失物であるときは、被害者又は遺失者は、盗難又は遺失の時から二年間、占有者に対してその物の回復を請求することができる。というルールです。
これにより、上記記載の「紛失から1年以内であれば無償で取り戻す事が可能」となるわけですね。また2年以内であれば有償でも取り戻す事が可能です。

 

尚、実際にこうした事を行うにあたっての交渉は一人で出来ないことも無いのですが、成功率を高めるにはやはり法律の専門家に直接相談、協力してもらうのが一番安心です。
法律事務所によって得手不得手もありますので、こういった事案に強い事務所を探してみてください。HPで似たような判例を紹介している事務所等が良いかもしれませんね。

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